1「とはいえ、上司は結局ROIを聞いてきますよ」
聞かれます、必ず。だからROIという問いを、答えられる問いに翻訳して返します。「広告費の何倍売れたか」には答えられません。「指名の手前の変化がどれだけ増え、そのうちいくつが商談まで確認できたか」には答えられます。翻訳の型は「問い合わせが3件」の章のとおりです。逃げるのではなく、答えられる形に言い換えて、毎月同じ型で答え続ける。ROIの質問は、たいてい「判断材料をくれ」の言い換えです。
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本には普遍を残し、変化の早いもの・別の角度からの復習は、このページに置いています。刊行して終わりにしない——奥付の改訂方針のとおり、読者の反応と環境の変化に合わせて、ここは刊行後も更新を続けます。各項目の「最終更新」をご覧ください。
本書を読み終えたあなたが社内で最初にぶつかるのは、理論への反論ではなく、「とはいえ」で始まる現実です。私が実際に受けてきた順に、10個並べます。
聞かれます、必ず。だからROIという問いを、答えられる問いに翻訳して返します。「広告費の何倍売れたか」には答えられません。「指名の手前の変化がどれだけ増え、そのうちいくつが商談まで確認できたか」には答えられます。翻訳の型は「問い合わせが3件」の章のとおりです。逃げるのではなく、答えられる形に言い換えて、毎月同じ型で答え続ける。ROIの質問は、たいてい「判断材料をくれ」の言い換えです。
予算が小さいほど、設計が効きます。無駄打ちの許容度が低いからです。最小構成なら、頂点のCVをひとつ、マイクロCVをふたつ、月次の振り返りを30分。ツールは無料の計測と表計算で足ります。本書でお金がかかる話は、実はほとんどしていません。
任せていい仕事と、手放してはいけない仕事があります。入札やクリエイティブの調整は任せられます。何をCVと呼ぶか、何の物差しで評価するか、どこで撤退するか——物差しの決定だけは、発注側の仕事です。物差しごと渡すのが丸投げ、物差しを共有して任せるのが伴走です。
全件は要りません。月1回30分、こちらの表を先に開くところから始めてください(「その後を取りにいく」章)。経験上、数字をくれないのは出し惜しみではなく、「何のために要るのか」が伝わっていないだけのことが多いです。先にこちらの数字を輸出すると、向こうの数字は後からついてきます。
証明はできません。観測はできます。指名検索の推移、リターゲティングの母集団、現場の「見たよ」の声。そして媒体配分のミクロで「刈り取り偏重が数ヶ月で枯れる」実測を見せられれば、同じ構造が年間予算でも働くという説明には、根拠が生まれます(「CPAが安い広告を、私は少し疑う」章)。
製品名は検索されなくても、悩みは検索されています。検索されないのは需要がない証拠ではなく、需要がまだ言葉になっていないだけのことが多い。その場合は需要をつくる側(動画・ディスプレイ・記事)から設計し、CVは「どこで買えるか」到達や資料DLなど、手前の行動に置きます(「買うボタンがない」章)。
見る数字を先に減らしてください。各章末の判断メモにある指標だけで、月次の判断は回ります。分析ツールの使い方より、月1回の定例が続くことのほうが100倍大事です。人がいないから測れないのではなく、測るものが多すぎるから人が足りないのです。
競合の管理画面は見えません。派手に見える施策が儲かっているかどうかは、外からは分からない——本書を読んだあなたなら、その理由を説明できるはずです。他社の派手さではなく、自社の物差しで判断する。それが本書の全部です。
作業は、かなりやってくれるようになります。それでも「何をCVと呼ぶか」「やめるかどうか」を決める仕事は残ります。機械が増やしてくれるのは判断の材料で、判断そのものではありません(終章)。
書籍巻末の「90日チェックリスト」をどうぞ。90日あれば、本書の仕組みは一通り立ち上がります。
書籍では各章の終わりに、その章の要点を1ページにまとめた「判断メモ」を置いています。全章分のメモを、近くここに一覧で掲載します。読み返すときの拾い読み・社内で共有するときの振り返りにお使いください。
自動入札の学習には、一定量のコンバージョン(イベント)が必要です。この「必要量」は媒体のアップデートで変わり続けるため、書籍本文には書かず、ここで目安を更新します。
| 媒体 | 学習に必要な量の目安 | 時点 |
|---|---|---|
| Google広告 | 月30件程度のコンバージョン | 2026年8月 |
| Meta広告 | 広告セットあたり週50件程度のイベント | 2026年8月 |
※ いずれも公式の固定値ではなく、公開情報と運用実感からの目安です。この量に届かない場合の設計(マイクロCVを機械の学習シグナルに使う考え方)は、本書第2部をご覧ください。
本書に登場する実測値「注意報週の検索1.66倍」の定義です。数字だけが独り歩きしないよう、対象・期間・比較条件をここに明記します。
※ 単一キーワード・単一品目の実測であり、倍率は年・病害虫により変わります。水準ではなく、「発表と同じ週に検索が動く」という方向をご覧ください。
GA4の名称・仕様の変更、AI検索の広がりと指名行動の変化——「2026年の現在地」にあたる話は、書き上げた瞬間から古びていきます。だからこの項目は本ではなくここに置き、動きがあるたびに更新します。
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