株式会社スパークル

実践ガイド(Web版)

CPAが下がったのに問い合わせが減るとき、広告配分をどう見直すか

媒体別のCPAだけでは配分を決められません。数えている成果の違い、重複、新しい接点、問い合わせの質、検討の時間差を確認し、条件をそろえた全体の数字と変更履歴から判断します。

対象
広告予算の配分を決める立場の方、媒体ごとの成果を報告している方。
読み終えると作れるもの
  • 配分を判断する前の確認リスト
  • セットCPAの定義(成果・単位・集計元・重複・期間・費用範囲)
  • 配分変更の記録(変更前に書く6項目)
  • 施策群の集計表
Web版の公開
更新
元資料
『CPAは下がった。なぜ、問い合わせは減ったのか。』2026年9月版・v2.0
編集
株式会社スパークル

配分の前に確認すること

元資料:PDF p.1〜3

来期の広告予算が2割減ることになりました。手元にあるのは、次の媒体別の成果表だけです。どこを削るか、いったん自分で決めてみてください。

媒体別の費用と成果(直近3か月の合計)説明用の架空例
媒体費用CV数CPA備考
検索広告400,000円2020,000円製品名・課題の語で出稿
ディスプレイ広告200,000円450,000円業界メディアの面に配信
動画広告150,000円275,000円製品紹介30秒
リターゲティング250,000円2510,000円サイト訪問者への再配信
合計(媒体の申告の単純合計)1,000,000円5119,608円合計のCV数は、媒体ごとの申告を足しただけ
  1. ACPAが最も高い動画広告を止め、残りはディスプレイから削る。効率の悪いものから切るのが筋だ。
  2. Bディスプレイと動画を削り、リターゲティングに寄せる。CPA1万円の媒体に予算を集めれば、同じ費用でCVは増えるはずだ。
  3. Cこの表だけでは決められない。足りない情報がある。

多くの現場では、AかBが選ばれます。CPAの一覧表は「効率の悪い媒体を切る」判断を自然に導くからです。そして数か月後、「CPAは下がりました。ただ、問い合わせの総数は減っています」と報告されることがあります。

このガイドの立場はCです。ただし「決められない」で終わらせず、何が足りないかを具体的に示します。どれも、媒体の管理画面には出てこない条件です。

この表だけでは決められない、五つの理由
欠けている条件確かめ方
1 各媒体のCVは、同じ行動を数えているか媒体ごとのコンバージョンの設定を並べる。同じ「フォーム送信」でも、資料請求と見積依頼が混ざっていれば別の行動
2 同じ問い合わせを、複数の媒体が数えていないか問い合わせのIDや日時で突き合わせる。媒体の管理画面はそれぞれが「自分の成果」として数えるため、足し算すると実際の件数を超えることがある
3 新しい人と既に接点のある人の、どちらに届いているか新規訪問の割合、既存顧客・自社社員の除外設定。リターゲティングは定義上、すでに来た人にしか届かない
4 上流の訪問者は、どこから来ているかリターゲティングの配信対象(訪問者)を作ったのは、検索・動画・自然検索・展示会のどれか。ここを削ると、対象そのものが減る
5 予算を増減したあと、いつまで観察するか検討期間より短い期間で判断しない。削った影響が出るのは、削った月ではない

いま、やること自分が選んだ案の理由が、1〜5のどれを前提にしていたかを確かめる。前提が確かめられていなければ、その選択はまだ保留です。

再接触の対象が生まれる経路

元資料:PDF p.4

リターゲティングのCPAが低いのは、すでに関心を持った人に届くからです。では、その人たちはどこから来たのか。配信の対象になりうる「既存の接点」と、その入力元を並べます。

再接触の対象が生まれる経路 模式図

広告(費用がかかる入力)

  • 検索広告
  • 動画・ディスプレイ広告

広告以外の入力

  • 自然検索・指名検索
  • 展示会・セミナー
  • 営業活動・紹介
  • 既存顧客・社員の訪問

配信の対象になりうる既存の接点(訪問者リスト)

  • リストには有効期間がある
  • 既存顧客・社員・採用応募者などの除外
  • 実際に配信できるのは一部
  • 媒体の設定によっては対象外にも広がる

リターゲティング配信

再接触と比較材料の提示 → 問い合わせ(一部)

図の説明:検索広告・動画やディスプレイ広告という費用のかかる入力と、自然検索・展示会・営業活動・既存顧客の訪問という広告以外の入力が、訪問者リスト(既存の接点)をつくります。リターゲティングはこのリストの一部に配信され、その一部が問い合わせになります。

リターゲティングの成果は、上流の入力すべての上に乗っています。上流の広告だけの手柄でも、リターゲティング自身だけの手柄でもありません。上流の広告を削るとリストが細り、数か月遅れてリターゲティングの表示や成果が減ることがあります。逆に、比較材料を見せる、忘れられないようにするといった、リターゲティング自身の働きも否定しません。

いま、やること自社のリターゲティングについて、リストの有効期間・除外の設定・最適化されたターゲティングの有無の三つを、運用者に確かめる。

セットCPAの計算と限界

元資料:PDF p.5〜6

媒体ごとのCPAを比べる代わりに、上流と下流を一つの施策群(セット)として、費用と成果をまとめて見ます。このガイドでは、これを「セットCPA」と呼びます。スパークルが本ガイドで使う呼び方で、業界の標準の指標や、効果が保証された独自の指標ではありません。

セットCPA = 定義した施策群の対象費用の合計 ÷ 同じ基準で数えた対象成果の件数

たとえば、(検索広告+動画広告+リターゲティング)の費用 ÷ 重複を除いた適格問い合わせの件数、のように定義します。計算は単純ですが、意味を持たせるには定義が要ります。

セットCPAで定義する項目
定義する項目書き方と注意点
成果問い合わせ、適格問い合わせ、資料ダウンロードなど。違う行動を同じ列で合算しない。複数を見るなら、別々のセットCPAを出す
単位件・人・企業・案件のどれか。単位が違えば解釈も変わる。BtoBでは「企業」の単位が実態に近いことが多い
集計元媒体の管理画面、GA4、CRM・問い合わせの台帳のどれか。複数の媒体の申告CVを、そのまま足さない
重複の扱い問い合わせのIDなどで、できる範囲を除く。除けない重複は「残っている」と明記する
期間費用が出た期間と、成果が出た期間。検討の時間差(例:費用は4〜6月、成果は4〜9月)。集計の確定日
費用の範囲媒体費だけか、運用・制作の費用を含むか。比べる期間で範囲をそろえる
対象の流入広告からの流入だけか、サイト全体か。全体の成果を分母にするなら、そう明示する

セットCPAで分かるのは、定義した範囲の全体の効率です。「上流を削ってリターゲティングに寄せたら、セット全体の効率はどうなったか」を、同じ条件で前後に比べられます。一方で、チャネルごとの貢献の特定、最適な配分、広告の増分効果を、これだけで証明することはできません。

媒体のCVを足す前に

一人の担当者が、検索広告をクリックし、翌週リターゲティングの広告を見て、その日に問い合わせた。この一件が、集計元ごとにどう数えられるかを追います。

一件の問い合わせが、集計元ごとにどう数えられるか説明用の模式例
集計元数える件数理由
検索広告の管理画面1件計測期間内にクリックがあったため、自分の成果として計上する(アトリビューションの設定による)
リターゲティングの管理画面1件直前に表示・クリックがあったため、自分の成果として計上する
GA4(キーイベント)1件どの流入元にどう割り振られるかは、使うディメンションのスコープ(ユーザー・セッション・イベント)とアトリビューションモデルによって異なる。媒体2つの合計「2件」とは一致しない
CRM・問い合わせの台帳1件実際に来たのは一件。配分を判断するときの分母はここ

最初の表の「合計51件」は、媒体ごとの申告の足し算です。もし台帳の実件数が40件なら、合計のCPAは19,608円ではなく25,000円(1,000,000円÷40件)になります。どの媒体を削るかの前に、分母が違っている可能性があります。足し算が必要なときは、CRMや問い合わせの台帳の件数を分母にし、媒体の数字は参考として扱います。

いま、やること先月の問い合わせについて、台帳の件数と媒体の合計件数を並べる。差があれば、それが「重複」か「計測されていない」のかを一つずつ確かめる。

量と質を並べて見る

元資料:PDF p.7

同じ費用で、問い合わせが50件から80件に増え、CPAは2万円から1万2,500円に下がった。良い変化に見えます。ところが「対象の顧客からの相談(適格問い合わせ)」だけを数えると、逆のことが起きています。

総数と適格を並べた比較説明用の架空例
比較項目変更前変更後
対象の費用1,000,000円1,000,000円
問い合わせ(総数)50件80件
問い合わせあたりの費用20,000円(100万円÷50件)12,500円(100万円÷80件)
うち適格問い合わせ20件10件
適格問い合わせあたりの費用50,000円(100万円÷20件)100,000円(100万円÷10件)
適格問い合わせは総数の内数で、両期間を同じ定義で比べています。

総数は増え、適格は半分になりました。全体のCPAの改善が、質の低下を隠しています。「適格」は、比べる前に決めます。対象の製品・用途・地域・取引条件などから事前に定義し、比べたあとで都合のよい基準に変えないことが条件です。

配分の判断では、全体の費用、成果の量、成果の質、新しい接点の量の四つを常に並べ、どれか一つの改善だけで判断しません。四つ目の「新しい接点」は、次の節で扱います。

いま、やること直近の「CPAが改善した月」について、適格問い合わせの件数を営業と一緒に数え直す。

兆候と原因を切り分ける

元資料:PDF p.8〜9

上流を削った影響は、問い合わせの件数に出るまで数か月かかることがあります。それより先に動きやすい四つの数字を、分けて見ます。取得できる指標と定義は媒体やキャンペーンによって違うため、どの媒体でも同じ数字が取れるとは考えません。

先に動きやすい四つの数字
数字見るもの意味と注意
流入新規訪問の数と割合、サイト全体の訪問数(広告以外を含む)上流を削ると最初に減りやすい。ここが減っている間、リターゲティングの数字はまだ良く見える。新規訪問の数は「新しい顧客」の数ではない(既存顧客の別の端末や、Cookieの削除でも新規として数えられる)
対象の規模リターゲティングのリストの人数、配信できる人数(媒体が表示する範囲で)流入が減った数週間後に細りやすい。リストの有効期間が長いと、遅れて出る
頻度同じ人への表示回数、予算の消化率対象が細ると、同じ人に何度も出やすい。ただし頻度の上昇だけでは、対象が尽きたことの証明にならない
成果の質適格問い合わせの割合、商談になるまでの日数、営業からの「合わない案件」の声量が保たれても、質が先に落ちることがある

どれか一つだけを見ると、季節・競合・設定変更といった別の原因と区別がつきません。流入が減り、対象が細り、頻度が上がり、質が落ちる。この順番で起きていれば、上流の削減が原因である可能性は高まります。順番が違えば、別の原因を疑います。それでも、これらの兆候は確かめる入口であって結論ではありません。表示の減少、予算の未消化、頻度の上昇は、計測の変更、配信の制限、入札の設定、競合の入札強化、季節性でも起きます。

すぐに増額せず、原因を切り分ける

兆候を見つけたら、原因の候補を並べ、先に確かめるものを決めてから対応します。「表示が減った、だから予算を足す」という反射を止めるための表です。

兆候と原因の切り分け
観測したこと原因の候補先に確かめるもの確かめたあとの対応の候補
表示回数が減った対象の減少、入札・配信条件の変更、競合の入札強化、季節性、媒体側の仕様変更対象の規模の推移、設定変更の履歴(誰が・いつ・何を)、配信の状態、前年の同じ時期流入の改善(上流の見直し)、設定の調整、時期の見直し。増額は最後
予算を使い切れない対象の不足、目標CPA・入札の制約、配信の制限(審査・ポリシー)、除外の広げすぎ配信の可否、入札目標の設定値、対象の条件、除外リストの中身入札・対象・予算の再設定。対象の不足なら上流へ
同じ人への頻度が上がる対象が狭い、予算の集中、リストの滞留(有効期間が長い)新規流入の推移、対象の規模、接触期間の設定訴求の切り替え、頻度の上限、有効期間の調整。それでも上がるなら上流へ
CVが急に増えた本当の改善、CVの定義の変更、重複した計測(タグの二重設置)、スパム・自社のアクセス計測の変更履歴、CVの内訳(行動別)、営業に「実際に来たか」を確かめる計測の修正、質の確認。確かめる前に拡大しない
CPAが下がり、商談が減った意向の低い行動への偏り(資料ダウンロードなど)、対象のずれ、最適化の対象の変更CVの内訳、適格率、商談になるまでの時間差(減ったのは今月の分か、数か月前の分か)最適化の対象の見直し、訴求、配信先の設計のし直し
CPAが上がった競合の参入、季節、上流の変更が遅れて出た、製品ページ・フォームの変更クリック単価の推移、サイト側の変更履歴、上流の変更時期との時間差原因ごとに対応。「上流の変更が遅れて出た」なら、元に戻す判断も候補

いま、やること直近3か月の「変更履歴」を一つの表にする(媒体・サイト・タグ・担当者)。兆候が出た日と並べる。

配分を小さく検証する

元資料:PDF p.10〜12

「まず半々」の代わりに、条件から初手を考える

どの会社にも当てはまる配分の比率はありません。自社の状況に近い行を見つけ、なぜその初手を選ぶかを説明できる状態にします。

状況ごとの、最初の検討の方向
状況最初の検討の方向守るべき判断の条件
製品カテゴリの検索需要があり、受け皿(説明・導線)も整っている検索から検証を始める選択肢。指名の語、課題の語の順に広げる問い合わせの質、獲得の余地(検索量の上限)、競合の入札状況。検索だけで頭打ちなら上流を足す
製品の価値がまだ理解されず、検索も少ない課題・用途を伝えるコンテンツと接点づくり(動画、業界媒体、展示会)。検索は指名だけ対象者への到達(業種・役職)、その後の行動(資料・製品ページ)、検証できる最低限の予算
サイトへの訪問はあるが、次の行動が少ない説明・導線・申し込みの入口を先に確かめる。新しい広告を増やす前に「どこで止まるか」を見る製品ページからの離脱点、フォームの完了率、営業が受ける質問との一致
既存の接点が多く、検討に時間がかかる再接触と比較材料の提示(リターゲティング、メール、営業資料)接触対象の更新(新規流入の維持)、成果の質、接触の過多(頻度)
予算が小さく、複数の媒体では判断材料が集まらない一つの課題と少数の施策に絞る。全媒体を均等に試す必要はない件数が少なくても質を確かめられる仕組み(営業の一次判定)。期間を長めに取る

比率を書くときは、隣に前提を必ず添えます。たとえば、対象は食品工場の設備担当、月の予算は80万円、検討期間は3〜6か月、製品カテゴリの月間検索は数百回、受け皿は整備済み、という前提なら「初手は検索50・動画30・リターゲティング20。3か月後に適格率と新規流入で見直す」と書けます(前提も比率も説明用の架空例です)。「まず半々」は判断を先送りしているだけで、なぜその配分かを説明できません。初手の理由が書けていれば、見直しの議論は「前提が変わったか」だけで済みます。

配分の変更を、小さな検証として設計する

配分を動かすなら、動かす前に「何を確かめたいのか」を書き残します。あとから都合よく解釈しないための、六つの記入項目です。

配分変更の記録(変更前に書く)説明用の架空例
項目記入例
仮説動画広告を止めても、3か月間はリターゲティングの成果に影響しない(リストは検索と自然検索で維持できる)
変更する範囲動画広告だけを停止(月15万円)。ほかの媒体の予算・設定は据え置き
据え置く条件検索・リターゲティングの入札設定、製品ページ、フォーム、CVの定義。期間中は変えない(変える場合は記録し、別の検証にする)
成果の定義適格問い合わせ数(企業単位・台帳ベース)、新規訪問数、リターゲティングの対象の規模
観察期間停止後3か月。検討期間が半年のため、その次の3か月の適格問い合わせも「遅れて出る影響」として追う
拡大・停止・保留の条件新規訪問が2割以上減り、対象の規模が細り始めたら再開を検討(拡大はせず元に戻す)。適格が維持されていれば停止を続ける。判断が付かなければ1か月延長して保留

前後の比較だけでは、季節性、競合の動き、同時に行った施策の影響は分けられません。広告を止めたあとの変化にも、季節や同時期の施策の影響が含まれている可能性が残ります。広告の増分効果を調べる実験は、広告に接触した群と接触しなかった群の結果を比べる考え方が基本です(Google広告の Conversion Lift など)。十分な規模と条件があれば、対照群を設けた検証を検討します。

大規模な実験ができない場合でも、仮説を先に固定し、変更の履歴を残し、結論の強さを抑える。この三つで判断の質は上がります。「動画を止めたら問い合わせが減った気がする」ではなく、「停止の2か月後に新規訪問が18%減り、対象の規模が細った。適格は維持。因果は未確認」と書けます。

一つのケースを解剖する

ケース:専門製品メーカー・月の予算約100万円・6か月説明用の架空例
段階内容
出発点前任者が「CPAの高い動画とディスプレイを削り、リターゲティングに寄せる」を半年前に実施。当初CPAは改善したが、直近3か月は問い合わせの総数が減り、営業から「案件が細い」という声
最初に確かめたこと① 媒体のCVの定義:検索は「フォーム送信+資料ダウンロード」、リターゲティングは「フォーム送信」だけで、定義が違った。② 台帳との突き合わせ:媒体の合計の7割が実件数だった。③ 変更履歴:半年前の配分変更のほか、3か月前にフォームの項目を減らしていた
兆候の順番新規訪問は配分変更の翌月から減少。リターゲティングの対象の規模は2か月遅れて縮小。頻度は上がり、予算が余り始めた。適格率は最近2か月で低下
仮説上流の削減でリストが細り、同じ人に繰り返し配信されている。適格率の低下には、フォームの項目を減らして意向の低い送信が増えた影響も混ざっている可能性
見送った案リターゲティングの増額(対象が細っている状態で増やしても頻度が上がるだけ)。全媒体の一律の復活(何が効いたか分からなくなる)
変更したこと検索の課題語を広げ、動画を月10万円で再開(変更前に記録を書いた)。フォームに用途の選択肢を1問足し、適格の一次判定を営業に依頼。CVの定義を「適格問い合わせ」にそろえた。ほかは据え置き
3か月後に観測したこと新規訪問は回復の傾向。リターゲティングの対象の規模は1か月遅れで拡大し、頻度は低下。適格問い合わせは月次で微増だが、件数が少なく傾向とは言えない。適格ベースのセットCPAは、変更の前後で同じ程度
別の可能性同じ時期に業界の展示会があり、新規訪問の回復はその影響を含む。フォームに1問足して総数が減った分、適格率が上がって見えている可能性。3か月・十数件の変化で結論は出せない
次の判断配分は継続(保留)。次の予算期に向けて適格の件数を追い、対象の規模が保たれているかを毎月確かめる。動画だけの効果は測れないため、「上流全体」として評価を続ける

見てほしいのは正解の配分ではなく、どの情報で判断し、どの可能性を確かめたかの順番です。定義をそろえ、変更の履歴を並べ、見送った案を書く。ここまでやると、社内で「またリターゲティングに寄せよう」という議論が起きにくくなります。このケースから「動画を再開したから問い合わせが増えた」とは言えません。確かめられたのは新規訪問・対象の規模・頻度の変化までで、適格問い合わせへの影響は仮説として残しています。

いま、やること次に予定している配分の変更について、六つの項目を埋める。「据え置く条件」が書けないなら、同時に複数のことを変えようとしています。

記入して持ち帰る

元資料:PDF p.13〜14

セットCPAの定義と配分変更の記録を、印刷して書き込めるシートにしました。シートごとに印刷できます。PDF版の p.13 にも同じシートがあります。

シート1 施策群の集計表

成果の定義:______ 単位:__ 期間:____〜____ 集計元:____

シート1 施策群の集計表(記入欄)
媒体・施策費用媒体の申告CV台帳の実件数うち適格新規訪問備考(設定変更など)

セット合計の行を最後に設けます。セットCPA(適格ベース)= セット合計の費用 ÷ 適格の実件数。適格が0件なら「算出不可」と書きます。重複の扱い:除去済み/残っている(内容を記入)。

シート2 配分変更の記録(変更前に書く)

シート2 配分変更の記録(変更前に書く)(記入欄)
項目記入欄
仮説
変更する範囲
据え置く条件
成果の定義
観察期間
拡大・停止・保留の条件

シート3 兆候の確認(四つの数字)

シート3 兆候の確認(四つの数字)(記入欄)
数字取れているか直近の動き先に確かめるもの
流入(新規訪問)
対象の規模
頻度・消化率
成果の質(適格率)

相談するときに、あるとよい資料

一般的な計算は、このシートで自分でできます。難しいのは、媒体・GA4・台帳という複数のデータの整合と、その上での判断です。相談の際は、次のうち手元にあるものだけで構いません。

  • 媒体別の費用(直近6か月、月別。管理画面の画面コピーで可)
  • 成果の定義(各媒体で何をCVにしているか。設定画面の一覧)
  • 期間と変更履歴(配分・設定・サイトの変更がいつあったか。分かる範囲で)
  • 台帳の件数(問い合わせの実件数。可能なら適格の内数)

初回相談の時点で、広告アカウントの閲覧権限をいただく必要はありません。相談で扱うのは、配分を動かす前に判断材料がそろっているかの確認、CVの定義の違い・重複・変更履歴の整理、次に確かめる一つの検証の設計です。その場で「最適な配分」を決めることはしません。続けて任せたい場合は、マーケティングの継続支援で進め方をご案内しています。

説明用の架空例このガイドの数値・ケースは、すべて構造を説明するための架空の例です。